ラトゥールとは、住友不動産が東京都心部などを中心に展開する、高級賃貸マンションシリーズです。

家賃は、広さや立地にもよりますが1Kタイプでも20万円超は当たり前で、40万円~60万円程度の家賃が中心となります。なかには100㎡超で家賃100万円以上の物件があるなど、一般庶民には「高値の華」と言ってもよいでしょう。

また、ラトゥールの入居審査は厳しいと言われています。ラトゥールとは住みたくてもなかなか住めない物件、しかも入居審査が厳しいとなれば、入居すること自体にハードルが高い物件であることは間違いありません。

では、憧れのラトゥールに住むために入居審査に通るには、どのような対策を取ればよいのでしょうか?この記事では、過去にラトゥールの入居審査に落ちてしまった失敗例をもとに、ラトゥールの審査に通る方法を解説していきます。

ラトゥールの審査に落ちた4つの原因

ラトゥールの審査に落ちた4つの原因

ラトゥールには、厳しい審査基準があります。このため、ラトゥールの審査に落ちてしまうことも当然に考えられます。ここでは、ラトゥールの審査に落ちる典型的な4つの原因について紹介します。

ラトゥールの審査に落ちた4つの原因

  • 年収に見合わない賃料の物件を選ぶ
  • 経営者で個人収入を低くしている
  • 個人事業主(フリーランス)をしている
  • ナイトワークをしている

年収に見合わない賃料の物件を選ぶ

一つ目は、年収に見合わない賃料の物件を選んでいることです。

ラトゥールの賃料は高く、1Kでも月額20万円超の物件が多くあります。賃貸を借りる際、原則家賃の目安は月収の1/3以下です。例えば会社員の場合、月収60万円の人は、家賃20万円以下の物件であれば審査に通りやすくなります。一方で、20万円超となると審査に落ちる可能性が高くなるのです。

経営者で個人収入を低くしている

二つ目は、会社経営者で個人収入を低くしている人です。

ラトゥールの審査は、個人の年収を重視しているため、法人の業績は関係ありません。課税証明書の年収をベースに審査を行うので、収入を敢えて低くしている経営者は、たとえ法人が黒字であっても審査に通りづらくなります。

個人事業主(フリーランス)をしている

三つ目は、個人事業主(フリーランス)であることです。

個人事業主(フリーランス)の場合、事業実態の確認を厳しく行う傾向があります。実際のお店やホームページなどが、主な実態確認の手法となります。個人事業主の中には当然これらがないケースも多く、実態が掴みにくいケースは審査が厳しくなるのです。

また、預金残高が家賃の24か月分以上必要となるので、家賃20万円の物件の場合には、480万円以上の預貯金が必要となります。個人事業主では、事業に自己資金を投入していることで預貯金が少ないケースが多く、ラトゥールを借りるにはハードルが高くなることも多いようです。

ナイトワークをしている

最後は、ナイトワークをしている人です。

これらの人は、ラトゥールの審査では職業NGとなり一切通ることはありません。よって、ナイトワーク関係の方がラトゥールに入居するには住友不動産が所有していないラトゥール物件に申し込むか、アリバイ会社を利用して入居審査を受けるしかありません。

ラトゥールの審査に落ちるのは職業が関係している

ラトゥールの審査に落ちるのは職業が関係している

ラトゥールの審査に落ちるのは、職業が関係していることがあります。先述でもお伝えした通りに、ナイトワークしている人は審査に落ちてしまいます。

他は、職業で落とされることはなく、勤務先の属性や年収など個人の内容により審査の可否が決まります。例えば、同じ年収1,000万円の人でも勤務先が大手企業か中小企業かなどで、審査結果が変わることもあります。

また、ある人は家賃補助が手厚い企業に勤続していたため審査に通るも、ある人は家賃補助がない企業に勤続していたので審査に通らないというケースもあるようです。この場合、給与であれば仕事の成果により変動する可能性がありますが、家賃補助は成果に関係なく支給されるものであるので、収入の安定性が審査上は高評価であったと言えます。

ラトゥールの審査に落ちた人ができる対策

ラトゥールの審査に落ちた人ができる対策

ラトゥールに住みたくて申し込んだものの、審査に落ちることがあります。では、ラトゥールの審査に落ちてしまった人が、次の審査を受ける時にできる対策にはどのようなことがあるのでしょうか?下記に、5つ紹介していきます。

ラトゥールの審査に落ちた人ができる対策

  • 法人として申し込む
  • 年収に合う家賃の物件を選ぶ
  • 信用度の高い同居人や家族で申し込む
  • 貯金額を見せる
  • アリバイ会社を利用する

法人として申し込む

一つ目は、法人として申し込むことです。

ラトゥールを法人として申し込む場合には、下記基準を満たす必要があります。

法人の基準

  • 現預金は家賃の72か月分以上が必要(家賃20万円であれば1,440万円以上の貯蓄が必要)
  • 資産は債務超過ではないこと
  • 経営状況は、3期連続の黒字且つ家賃の24か月分以上を満たすこと
  • 審査時の書類は決算書の提出が必須

法人の場合、「資本金1,000万円以上、丸々3期以上の経営実績」があれば比較的審査に通りやすくなりますが、賃料が安い物件であれば先述以下でも審査に通ることがあります。

年収に合う家賃の物件を選ぶ

二つ目は、年収に合う家賃の物件を選ぶことです。

ラトゥールは家賃補助があれば年収600万円から審査に通る可能性はありますが、家賃を問題なく払い続けられることが肝心なポイントとなります。家賃の目安は、月収の1/3以下を目安に物件選びをします。

なお、ラトゥールは高級マンションであるので、家賃設定が高くなっています。概ね、年収1,000万円を超える頃にラトゥールに住む人が多くなることから、自身の経済状況で無理がないようであればラトゥールに住むことをお勧めします。

ちなみに、家賃40万円の物件であれば年収1,500万円~2,500万円の人が多くなります。会社員でも大手企業で部長級、医者や弁護士などライセンサーなどの人が多いようです。

信用度の高い同居人や家族で申し込む

三つ目は、信用度の高い同居人や家族で申し込むことです。

ラトゥールの審査は年収基準もさることながら、信用情報などにキズがあると審査に通ることはありません。よって、家族や同居人で信用情報にキズがなく年収基準などを満たす人がいれば、その人で申し込みをするのが良いでしょう。

貯金額を見せる

四つ目は、貯金額を見せることです。会社員や公務員の場合、預金残高の基準はありませんが、概ね家賃の2年相当の貯蓄があれば審査上は好印象を与えることができます

年収基準ギリギリなどの場合には、貯蓄額を提示することや、株などの金融資産や不動産を所有しており家賃収入があるなど、不労所得があることを示せれば審査上は有利になります。仮に家賃の支払いが苦しくなったとしても、株や不動産を売却すれば家賃の支払いに充当することが可能となるのです。

アリバイ会社を利用する

最後は、アリバイ会社を利用することです。

ナイトワークなど水商売は、審査に通らないことを先述にて紹介しています。このような職業の人がラトゥールに住むには、住友不動産以外が所有するラトゥールを選ぶか、アリバイ会社を利用して審査を通すしかありません。

アリバイ会社とは、一般的に社会的地位が低いと言われる水商売などの職業の人が、賃貸物件を借りやすくするために収入・勤務先・雇用形態などを偽装してくれる会社です。

アリバイ会社は、その企業で働いているかのように給与証明書や源泉徴収票の作成や、在籍確認の電話対応などを行ってくれます。アリバイ会社の利用は、あらゆる手を尽くした中での最終手段であると認識しておきましょう。

ラトゥールの審査に申し込む際の注意点

ラトゥールの審査に申し込む際の注意点

ラトゥールの審査に申し込む際の注意点は、家賃を支払うことができるかということです。他に、審査に通りやすくするには、清潔感のある服装で内見に行くこと、担当者とは丁寧に話すことです。つまり、個人の年収や勤務先だけでなく、その人の素行もしっかりと見られています。

ラトゥールは高級賃貸マンションであるので、それなりの品格も求められます。内見時に、ラフすぎる格好やボロボロの靴を履いていること、言葉使いが悪いと入居審査に影響します。男性であればジャケット、女性であればワンピースなど清潔感ある服装と丁寧な言葉使いを心掛けることも大事です。

審査に通ってもじゅうぶんな年収がないと困ることも

ラトゥールの入居審査に通ったとしても、充分な年収がないと困ることも多くなります。年収に対して、余裕を持った家賃の支払いができることが理想です。

よって、家賃の年間総支払額が年収の20%~25%程度以下に収まるのがよいでしょう

ラトゥールの入居審査の流れとは

ラトゥールの入居審査の流れとは

ここでは、ラトゥールの申し込みから入居審査、無事に審査に通過し、鍵の引渡しを受けるまでの流れについて紹介します。

ラトゥールの入居審査の流れとは

  1. 希望物件への申し込み
  2. 必要書類の提出
  3. 10日間ほどの入居審査
  4. 契約手続き
  5. 鍵の受け取り・物件の引渡し

1.希望物件への申し込み

希望物件が見つかれば、内見を行います。内見後に問題なければ申し込みです。申し込み時には契約の諸条件を確認し、必要事項の記入と捺印をします。

なお、物件を借りるには連帯保証人が必要です。個人の場合、連帯保証人は親族を立てるか、住友不動産指定の保証会社(casa、SBIギャランティ、アイ・シンクレント、リクルートフォレントインシュア)を利用できます。

2.必要書類の提出

次に、必要書類の提出となります。個人で契約する場合の必要書類を下記に提示しています。

必要書類一覧

  • 所得証明書(課税証明書、納税証明書)
  • 勤務先の会社経歴書
  • 会社概要書
  • 会社の事業内容がわかるもの
  • 身分証明書(運転免許証かパスポート)の写し
  • 住民票

※保証人がいる場合には、所得証明書と住民票が必要となる

※法人で契約する場合には、上記に会社謄本と決算書が必要になります

※申し込み者と入居者が異なる場合は、入居者も身分証明書が必要です

3.10日間ほどの入居審査

申し込み書と必要書類が揃うと、入居審査が始まります。審査期間は、約10日間です。このとき、連帯保証人には承諾確認の電話連絡があります。

4.契約手続き

入居審査を無事に通過すると、契約手続きになります。契約金は、敷金(ラトゥールでは3か月分の家賃が一般的)と礼金(ラトゥールではなしの場合が多い)と賃料発生月の日割り賃料と次月の賃料を合わせた金額となります。

契約には、契約名義人と連帯保証人の実印と印鑑証明書(取得から3か月以内のもの)が必要です。

5.鍵の受け取り・物件の引渡し

契約日以降、鍵の受け取りと物件の引渡しを受けられます。引渡しの当日に、部屋内等の各設備の使用方法の説明を行い、鍵の預かり証に捺印をし、引渡し手続きは完了となります。

以降、引っ越しの日時と引っ越し業者を住友不動産の賃貸事業部に伝えておき、引っ越しを行います。

ラトゥールの入居審査に関する疑問点

ラトゥールの入居審査に関する疑問点

ここまで、ラトゥールの入居審査に落ちる原因や、入居審査に通過する対策を紹介してきました。最後に、ラトゥールの入居審査に関する疑問点をここまでの確認として紹介していきます。

ラトゥールの入居審査に関する疑問点

  • 連帯保証人は必要?
  • 申込金や手付金は必要?

連帯保証人は必要?

ラトゥールの入居には、連帯保証人が必要です。なお、連帯保証人を頼める人がいない場合には、住友不動産指定の保証会社を利用します

ちなみに、保証会社を依頼するにも審査があります。仮に、保証会社の審査に落ちてしまうと、ラトゥールへの入居ができません。

申込金や手付金は必要?

ラトゥールの入居申し込み時に、申込金や手付金はありません。なお、契約を交わす際には先述にて紹介している契約金が必要です。

ラトゥールの入居審査に落ちた場合は様々な方法を取ろう

ラトゥールの入居審査に落ちた場合は様々な方法を取ろう

高級賃貸マンションラトゥールへの入居は、賃料が一般的な物件より高い分ハードルが高くなっています。特に、経営者や自営業は預貯金の審査もあることから、個人の財務状況がしっかりとしている人しか借りることはできません。ラトゥールの入居審査に落ちてしまった場合には、原因を分析し対策を講じることが重要です。

なお、水商売などそもそも借りることができない職業の場合には、アリバイ会社の利用がおすすめとなります。ラトゥールは、家賃が高額であるため、仮にアリバイ会社を使って審査を通したとしても家賃を払い続ける能力がなければ意味がありません。

よって、今後家賃を支払えるだけの収入が確保できる見込みであるか、若しくは家賃を支払えるだけの十分な貯蓄があるのかを確認するなど、経済的に余裕があることがラトゥールの審査を受ける大前提となります。