水商売をしている人の場合、賃貸物件を借りることができないケースがあります。そしてその理由についてはなかなか教えてもらうことができません。

ただ、賃貸物件を契約するのは無理なのかというと、そんなことはありません。そこで当記事では、水商売をしている人が賃貸物件を借りられない理由と、借りるための方法について解説していきます。

水商売は賃貸を借りられない理由3選

水商売は賃貸を借りられない理由3選

現実問題として、キャバ嬢や風俗嬢、ホストといった水商売をしている人は、賃貸物件を申し込んだとしても審査に通過できないことが多いです。賃貸物件を借りるための入居審査は下記の3段階の審査があるといわれています。

入居審査の調査項目

  • 収入および支払い能力の審査
  • 経歴・家族構成等を審査
  • 基本的な礼儀・人柄等を審査

このことを踏まえた上で、水商売の人が審査を通過できない理由は以下の通りです。

水商売の人が審査を通過できない理由

  • 収入に安定性がないため
  • 他の居住者とのトラブルを避けるため
  • 水商売は犯罪に巻き込まれやすいため

①収入に安定性がないため

水商売をしているの人の給料は固定給でなく歩合給のため、得られる収入が不安定になってしまう傾向があります。そうなると、「収入が少ない月に家賃が払われなくなるリスクがある」と見なされてしまい、入居を敬遠されてしまいます。

そのため、家賃を支払うのに十分と思われる残高がある場合は審査に通る可能性が上がるので、給料明細や通帳のコピーを提出しましょう。ただ、たとえ一般的なサラリーマンより稼いでいたとしても、「いつ収入がなくなってもおかしくない職業」と見なされてしまうため、賃貸の審査は通過しにくいといえます。

②他の居住者とのトラブルを避けるため

物件の管理会社や大家さんが水商売をしているの人の入居を断っている理由の一つとして、「他の居住者とのトラブルを避けるため」というものが挙げられます。水商売の人は、夜に仕事をして朝に帰ってくるという生活スタイルが多く、他の入居者と生活時間帯がズレてきます。

その結果、帰宅時の足音や生活音が気になるという騒音トラブルに発展しやすく、敬遠されているという理由です。もちろん水商売の人が必ずもめ事を起こすということではないですが、こういったことを想定して、あらかじめ入居を断っているというケースが多いようです。

③水商売は犯罪に巻き込まれやすいため

金銭被害や客からのストーカー被害など、水商売の人には巻き込まれやすいトラブルがあり、犯罪に発展してしまう可能性もあります。特にストーカー被害の場合、物件の治安が著しく悪くなってしまいます。

また、水商売の人は飲酒をしていることが多く、他の入居者と喧嘩をしてしまうというトラブルも考えられます。部屋を貸す側からしても、なるべくリスクを無くして継続的に収益を得ていかなければならないので、水商売の人は断られやすくなっています。

水商売でも賃貸物件を借りる方法6選

水商売でも賃貸物件を借りる方法6選

賃貸の管理会社や大家さんからあまり良い印象を持たれない水商売であっても、賃貸物件を借りることは可能です。以下のポイントを押さえておけば審査に通過する確率を上げることができるので、参考にしていただけたらと思います。

水商売でも賃貸物件を借りる方法

  1. 水商売でも借りられる物件を選ぶ
  2. 審査が緩い保証会社を利用する
  3. 不動産屋での印象を良くする
  4. 親族に代理契約してもらう
  5. 水商売NGの物件は避ける
  6. 昼仕事を始める
  7. 水商売専門の不動産屋を選ぶ

①水商売でも借りられる物件を選ぶ

物件によってですが、賃貸の管理会社や大家さんが最初から「水商売をしている人は不可」という制限を設けていることがあります。その場合は前提条件として入居は難しいので、申し込みの段階でそのような制限があるかどうか確認をしておきましょう。

すべての管理会社や大家さんが「水商売は不可」というわけではないので、不動産屋を当たって根気強く探してみましょう。仮に相談をした不動産屋で紹介できる物件が無かった場合、そのまま進めてしまうとお互い時間と労力の無駄になってしまいます。少し言いずらいかもしれませんが、効率的に物件探しをするためにも最初にある程度の情報開示はしておいた方が良いでしょう。

②審査が緩い保証会社を利用する

入居審査をする際に使われる保証会社ですが、会社によって審査が厳しい場合、甘い場合があります。また、保証会社や大家さんのチェックが甘い物件も確かに存在します。そのため、一つの賃貸を断られたからといって、すぐに諦める必要はありません。

ただ、こういったチェックが甘い物件はインターネットで検索してもなかなか見つけることはできません。なぜなら、チェックが甘かったり審査が緩い物件は例外的な物件であり、ホームページ自体に載せていないことも多いからです。

そのため、こういった物件を見つけるためには「審査に強い不動産屋に直接相談する」「不動産屋を介さずに直接入居者を募集している大家さんを探す」などの手段で探していくのがおすすめです。

③不動産屋での印象を良くする

たとえ保証会社の審査に通ったとしても、不動産屋での印象が悪ければ審査を落とされてしまう可能性があります。なぜなら、不動産屋の担当者は「どのような人が入居を希望しているのか」管理会社と大家さんに直接伝えることがあるからです。

大家さんにとっては大事な物件を貸すわけなので、印象が悪いという報告を受けた場合、その時点で物件を貸すことに消極的になってしまいます。そのため、不動産屋に行く時は下記の項目に注意し、良い印象を持たれるように心がけましょう。

身だしなみチェックリスト

  • 髪は盛らないようにする
  • 露出の多い服は着ないようにする
  • アクセサリーは最小限にする
  • ナチュラルメイクを心がける

また、服装だけきちんとしていればいいわけではなく、話し方についてもチェックされるので気を付けましょう。

④親族に代理契約してもらう

水商売を始めたばかり等の理由で収入が安定していない場合、親族に代理契約を頼むという手もあります。代理契約というのは、自分以外の人に代理で契約者になってもらうことを指し、基本的には親族しか行うことができません。

両親が年金生活中という場合であれば、収入が安定している兄弟に頼むこともできます。ただ、「家族に水商売をしていることを知られたくない」ということであれば、別の方法を検討しましょう。

⑤水商売NGの物件は避ける

最初の段階で水商売NGの物件は避けるようにするのが賢明です。不動産屋に行く場合、最初に水商売の職に就いている旨を伝えて、「水商売不可」の物件を避けて探してもらうようにしましょう。

そうすることによってお互いの手間も省けますし、「よく分からない理由で審査を落とされてしまった」とがっかりしてしまうことも防げます。

⑥昼仕事を始める

前述したように、水商売をしている人は収入が不安定と見なされてしまうので入居審査は通りにくくなります。そのため、入居審査の期間だけ昼仕事を始めて、その会社名を賃貸契約書の勤務先欄に記入するという対策もあります。

水商売をしていた場合は、収入面の不安定さだけでなく、生活リズムの相違によるトラブルなども敬遠されてしまう要因となっています。そのため、勤務先が一般的な会社であれば敬遠される要因を無くすことができ、入居審査も通りやすくすることができます。

もちろん、今までの仕事と昼仕事を同時にこなすというのは精神的にも体力的にも厳しいので、「短期間であれば可能」という人は検討してみることをおすすめします。

⑦水商売専門の不動産屋を選ぶ

不動産屋の中には、水商売専門でサービスを提供しているところもあります。特に繁華街にある不動産屋は水商売の人も受け入れていることが多く、インターネットなどで調べるより早く物件を見つけることができます。

また、水商売歓迎の不動産屋であれば水商売に理解のあるスタッフがいて、より親身なサポートを受けることもできます。一般的な不動産屋の場合は遠回しに対応を断られやすいので、近くに水商売専門の不動産屋があれば検討してみましょう。

賃貸の審査に落ちてしまった時の対処方法

賃貸の審査に落ちてしまった時の対処方法

どんなに気を付けて賃貸の入居審査に臨んだとしても、何かしらの理由で通過できないことは十分にあり得ます。その場合は落ち込んだり諦めてしまうのではなく、入居審査になぜ落ちてしまったのか理由を確認し、対処方法を考えていきましょう。

ここからは、賃貸の審査を通過できなかった際に考えられる対処方法を解説していきます。どれか一つを実行するだけでも審査通過の可能性を高めることができるでしょう。

①預金で審査が出来る物件に変更する

預金審査という方法を使えば、収入が不安定であったとしても、家賃を払うために十分な預金がある通帳のコピーを出して審査してもらうことができます。水商売をしている人は収入が不安定であることが多く、一般的には審査に通るのは難しいですが、家賃24ヵ月分以上の預金があれば「家賃の支払い能力がある」として、入居審査を通過することができる可能性があります。

ただ、高級な物件の場合は入居審査が厳しくなっており、預金審査を行うのは厳しい場合もあります。そのため、ある程度家賃がリーズナブルな物件を狙えば、預金審査で審査を通過することも可能です。

もちろん、預金さえあれば審査が通りやすいということではなく、印象も大事になってくるので、前述した身だしなみや話し方にも気を付けましょう。

②賃貸物件や保証会社を変更してみる

たとえば、ある物件の入居審査に通過できなかった場合、条件を変えて再度審査してもらっても通過できる可能性は低いです。そのため、同じ物件に何度もチャレンジするのではなく、入居審査が通りやすい別の賃貸物件を探して審査してもらう方が賢明です。

ただ、注意しなければならないのが「一度入居審査に落ちると、その情報が信用情報機関に5年間残ってしまう」ということです。そのため、信販系の保証会社であればほぼ100%落ちることになってしまい、審査を申し込んでも無駄足に終わってしまいます。

そこで、一度入居審査に落ちてしまった場合は、信販系の保証会社ではなく、独立系の保証会社と取引がある不動産屋を選んで探していきましょう。不動産屋によって取引をしている保証会社は異なってくるので、まずはインターネットなどで検索してみることをおすすめします。

③水商売の入居に特化した不動産屋にする

賃貸の不動産屋はそれぞれ扱っている物件が違っており、一般的な不動産屋であれば水商売の人に紹介できる賃貸物件はあまり扱っていないのが現状です。ただ、繁華街の近くであれば「水商売で働いている人に特化した不動産屋」も多く存在しているため、相談に乗ってもらうことができるでしょう。

こういった不動産屋は、そもそも水商売の人達を支援しようという思いで起業していることが多く、物件探しについて相談すると親身になって対応してくれることが多いです。嫌な思いをすることなく物件探しをすることができるので、こういった水商売の入居に特化した不動産屋も検討していきましょう。

④アリバイ会社を利用して審査する

「入居審査になかなか通過することができない」という場合は、アリバイ会社を利用するという選択肢もあります。アリバイ会社とはどういったものかというと、収入・勤務地・雇用会社などを偽装して、あたかもそこで働いているかのような対応をしてくれる会社を指します。

具体的なサービス内容は「利用者のために偽物の勤務情報を用意する」「在籍確認などを請け負ってくれる」というものがあります。入居審査においては「勤務先情報」が重要な判断材料となりますので、ここをアリバイ会社を利用して証明してもらうことで、審査通過率を上げることができます。

ちなみに、無職の人が賃貸物件の入居審査を受ける場合にもアリバイ会社は有効です。無職の人の審査通過率は10%ほどとされているので、アリバイ会社を利用する価値は十分にあるといえるでしょう。

相談には無料で対応してくれるアリバイ会社もあるので、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

【まとめ】水商売は賃貸を借りられないのはなぜ?借りるための方法も紹介!

【まとめ】水商売は賃貸を借りられないのはなぜ?借りるための方法も紹介!

ここまで、水商売の人が賃貸をなかなか借りることができない理由と、入居審査を通過して物件を借りる方法について解説してきました。入居審査に通るか否かは保証会社によっても基準が異なっているため、運の要素もある程度入ってきます。

そして、確かに一般の人と比べて水商売の人は賃貸物件を借りることは難しいです。ただ、何も手がないわけではなく、前述のように様々な手段・方法があるので、諦めずにチャレンジしていきましょう。