厳しい選考を通過し、ようやく掴み取った就職先。春からの新生活に向けて、さまざま準備をしなければなりませんが、新しい勤務先が実家から通えない場合には家を借りる必要があります。しかし、春から新入社員ということは、現状は収入等がないまま賃貸住居を借りなければなりません。
では、新卒で賃貸の入居審査に通るには、どのような対策や方法があるのでしょうか?新卒で審査に落ちる典型的な原因や審査に通るポイントなどについて解説します。

新卒が賃貸の入居審査で落ちる原因

新卒が賃貸の入居審査で落ちる原因

春からの社会人生活を無事に迎えるには、まずは拠点を構える必要があります。そのためには、住居を確保しなければなりません。

まずは、新卒が賃貸の入居審査で落ちる原因から紹介していきましょう。以下3点がなければ、審査に落ちる可能性は低くなります。

新卒が賃貸の入居審査で落ちる原因

  • 原因:過去に料金の滞納をして信用情報に傷が付いている
  • 原因:見込みの年収に対して家賃が高すぎる
  • 原因:身なりや態度など人柄が悪い

原因①過去に料金の滞納をして信用情報に傷が付いている

一つ目は、過去に料金の滞納をして信用情報に傷が付いていることです。新卒というとつい最近までは学生であるので、クレジットカードを所有している人はほぼいないでしょう。そこで考えられるのが、携帯電話の使用料金の延滞や滞納となります。
携帯電話の料金を何度となく引き落としができずに延滞を繰り返すなどをすると、信用情報に傷がつくことがあります。これにより、審査で信用情報を重視する保証会社の時には、審査に落ちる可能性が高まります。

原因②見込みの年収に対して家賃が高すぎる

二つ目は、見込み年収に対して家賃が高すぎることです。例えば、見込み年収が税込み300万円(月収25万円)であるのに対し、家賃10万円(年間120万円)の賃貸物件は高すぎます。

家賃の目安は、月収の1/3以下です。今回の場合で審査に通るには、家賃8万円以下の物件を探すのが妥当です。家賃の目安を1/3以下とするのは、生活するには家賃以外にも、食費・光熱費・通信費、仕事をする上での交通費やスーツ・通勤用のバッグを購入する費用まで、さまざまなお金が掛かります。その中で、家賃だけに月収の大半を費やしてしまうのは現実的ではないのです。

よって、先述では月収の1/3以下とお伝えしましたが、余裕を見たら1/4以下に抑えても良いと考えます。家賃を抑えることによって、立地・広さ・築年数などの条件は妥協しなければなりません。しかし、今後社会人として一人前になることで、収入がアップし希望する条件のところに引っ越すことはできます。「良い部屋に引っ越す」ということを、仕事をする目標に設定してみるのもよいでしょう。

原因③身なりや態度など人柄が悪い

三つ目は、身なりや態度など人柄が悪いことです。

入居審査において、人柄は重要なポイントになります。大家さんや保証会社は、賃借人とトラブルになることを嫌います。特に、トラブルになりやすいのが、家賃の滞納と退去時の原状回復・礼金に関することです。仮に人柄が良ければ、部屋を綺麗に使用することや、家賃の滞納等をすることがなく、大家さんや保証会社は安心して管理ができます。

一方で、人柄が悪い人は部屋の使い方が粗悪で、家賃もまともに払わないような人もいるなど、原状回復費用に関することや家賃滞納についてトラブルになることが多いのです。このような身なりや態度の悪い人は、トラブル時も態度や口調が悪く、対処する大家さんや保証会社の担当者が苦慮するケースが多くなります。

よって、店舗への来訪や内見時に、身なりや口調などが悪いと担当者に悪い印象を与えてしまい、その印象が保証会社や大家さんに伝わってしまいます。

人柄が悪い人は入居後にトラブルを起こすことが多いので、審査に落とされてしまうのです。

新卒が賃貸の入居審査に通るために知っておきたいポイント

新卒が賃貸入居審査に通るために知っておきたいポイント

先述では、審査に落ちる典型的な原因を紹介しましたが、今度は審査に通るためのポイントについてです。ここでは、新卒が賃貸入居審査に通るために、知っておきたいポイントについて紹介します。

利用する保証会社によってポイントが違う!

賃貸の入居には、連帯保証人若しくは保証会社を付けることが民間の賃貸では必須になります。また昨今では連帯保証人ではなく、物件の大家さんが保証会社への加入を求めているケースが多くあります。
そこで、賃貸の入居には保証会社の審査がポイントとなります。保証会社は大きく分けると、信販系・LICC系(協会系)・独立系があります。信販系は、クレジットカードやローンなどを扱う会社で審査では個人信用情報を重視する傾向があり、総じて審査は一番厳しくなります。
次いで厳しいのがLICC系です。これらの保証会社は、過去の家賃滞納や延滞などの履歴などを情報共有しており、過去に別物件で滞納履歴などがある場合に審査に影響することがあります。
最後に、一番審査が緩いのが独立系です。独立系は、独自の基準で審査することが多く、個人信用情報や滞納履歴などの情報共有を行っていません。よって、過去に滞納や延滞、個人信用情報にキズがあるような人でも審査に通る傾向があります。
つまり、物件で設定されている保証会社により、審査結果が変わることがあるのです。

新卒が知っておきたい賃貸の入居審査に必要なもの

新卒が知っておきたい賃貸の入居審査に必要なもの

ここでは、新卒が知っておきたい、入居審査を受けるときに必要なものについて紹介します。特に、新卒の人は内定通知書があることで殆どの審査は通過ができます。他には、年齢の若さや正社員であることで、収入の安定性が見込めること、大卒である社会的信頼性の高さがあります。

新卒が知っておきたい賃貸入居審査に必要なもの

  • 内定通知書は必須です!
  • 印鑑は銀行印に使用できるものを用意
  • 身分証明書は写真付きがベスト

内定通知書は必須です!

新卒の人は、これから働き始めるため、収入を証明するものはありません。そこで、重要なのが春から社会人として働き始めることの証拠となる内定通知書です。新卒の人が収入の見込みを示すには、内定通知書しかありません。

内定通知書があることで、その人が春から間違いなくその企業で働き、収入を得ることになります。つまり、「しっかりと家賃が支払える人物、若しくは家賃を支払える能力がある」、という社会的信用性を示すものとなります。

よって、新卒の人が賃貸住居を借りるときには、内定通知書はどこの物件でも必須になります

印鑑は銀行印に使用できるものを用意

印鑑は、銀行印に使用できるものを用意します。賃貸契約時には、家賃を引き落とす口座番号を伝えることも必須となり、その際に銀行印を使用します。登録してある銀行印と相違があると引き落としができなくなるので、必ず引き落とし口座に使う銀行印を持参します。

身分証明書は写真付きがベスト

身分証明書は、写真付きがベストです。例えば、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードがあれば問題ありません。なお、写真付きの身分証明書がない場合には、健康保険証などを提出するのがよいでしょう。

新卒が知っておきたい「審査に落ちる」に対するQ&A

新卒が知っておきたい「審査に落ちる」に対するQ&A

新卒が入居審査に通るには、適正な家賃の物件を選択すること、内見時や店舗来訪時の身なりや言動に注意するなど、がありました。

ここでは、万が一のときために、新卒が知っておきたい「入居審査に落ちる」に対する素朴な疑問を取り上げ、その回答を紹介していきます。

新卒が知っておきたい「審査に落ちる」に対するQ&A

  • Q.1賃貸入居審査に落ちると連絡は早いの?
  • Q.2同棲やルームシェアは賃貸入居審査に落ちやすいの?
  • Q.3新卒が賃貸入居審査に落ちる確率ってどれくらいなの?

Q.1賃貸入居審査に落ちると連絡は早いの?

入居審査の期間は、概ね2日~3日程で結果が出るのが一般的です。連絡が早いか遅いかは、審査結果に影響はありません。春先などの繁忙期であれば、審査件数が多いために結果が遅くなることや、一方で閑散期であれば審査結果が早いこともあります。

Q.2同棲やルームシェアは賃貸入居審査に落ちやすいの?

同棲やルームシェアは、入居審査に落ちやすい傾向があります。理由は、賃貸人側のリスクが高いからです。

例えば、カップルで家賃10万円の2DKの賃貸住居を借りることにしましたが、一人の経済状況では家賃の支払いが難しいので、5万円ずつ折半している場合です。しばらくは何も問題なく居住していましたが、ある日このカップルは喧嘩をしてしまい、片方が出て行ってしまいました。婚姻関係がないカップルの場合、このまま別れるケースも多くあります。そうなると、問題なのが家賃の問題です。

もともと、一人では払いきれないために二人で折半して住んでいたものの、片方が出て行ってしまっては、もはや家賃の支払い能力はありません。

よって、家賃の滞納や延滞される可能性が高く、賃貸人にとっては高リスクであるので、総じて審査に落ちてしまいます。カップルやルームシェアで住むのであれば、一人で家賃を支払える範囲の物件を選ぶことがおすすめです。

なお、婚姻関係がある人であれば、社会的信用が高くなるので二人で家賃を折半という形でも、支払い能力が証明できれば審査上は問題ありません。

Q.3新卒が賃貸入居審査に落ちる確率ってどれくらいなの?

新卒が入居審査に落ちることは、ほぼないと思って良いでしょう。先述で紹介した個人信用情報上にキズがあることや、内見時に態度が悪いなど素行が悪い振る舞いをしない限り、比較的借りやすい状況です。

また、先述でもお伝えしていますが、賃料の目安は月収の1/3以下ではなく1/4以下に収まるような物件を選択しましょう。これにより、経済的に余裕を持つことができるので、より一層審査に通りやすくなります。

新卒が知っておきたい賃貸入居審査に落ちてしまった場合の対処方法

新卒が知っておきたい賃貸入居審査に落ちてしまった場合の対処方法

新卒が入居審査に落ちることは、ほぼありません。しかし、万が一審査に落ちてしまったら、どうしてよいのかわからないというのは困ってしまいます。ここでは、新卒が知っておきたい、万が一入居審査に落ちてしまった場合の対処法について紹介します。

新卒が知っておきたい賃貸入居審査に落ちてしまった場合の対処方法

  • 親に契約者になってもらい再審査にかける
  • 賃貸に求める条件を見直してみる
  • 思い切って賃貸会社を変えてみる

親に契約者になってもらい再審査にかける

まずは、支払い能力のある親に契約者となってもらい再審査をかけます。親が現役で働いており一定の収入を得ている状況であれば、審査に通過する可能性は高まります。

なお、名義が親になるので、契約時はもちろんのこと、鍵の引渡しや退去時にも契約者が立ち会う必要があります。他に、親以外の身内などに依頼することも可能ですが、先述のように都度立ち会う必要があるため、親に依頼するのが一番良いでしょう。

賃貸に求める条件を見直してみる

次に、賃貸に求める条件を見直すことです。最寄り駅、駅距離、広さ、間取りなど条件を変えることで、賃料は変わってきます。条件を妥協することになりますが、まずは住居を確保するということで柔軟に対応しなければなりません。

なお、物件によって設定されている保証会社が異なるケースがあり、審査が厳しい信販系の保証会社で落とされても、別物件の独立系の保証会社で審査に通ることもあります。よって、物件探しの条件を妥協できない場合は、保証会社を変えることで結果が変わることもあります。

思い切って賃貸会社を変えてみる

最後に、不動産会社を変えてみることです。より条件に近い物件を確保するには、これまでのノウハウや豊富な経験が不動産会社には求められます。
仮に、審査落ちが続くようであれば、不動産会社の経験不足や管理物件の少なさ、保証会社等への審査案件の伝え方など、総じてノウハウが欠如していることもあります。よって、思い切って別の不動産会社で探してもらうのもよいでしょう。

まとめ

新卒が入居審査に落ちることは、ほぼありません。理由は、学生時代はクレジットカードを持つことや、賃貸を借りていたとしても親名義になっていることが多く、滞納や延滞が仮にあっても本人の情報にキズが付くことはないからです。
よって、必要書類を持参し物件を適正に選択できれば、入居審査は問題ありません。なお、奨学金を利用している場合には審査時にしっかりと伝えるなど、自らの状況を正直に伝えることが重要となります。