賃貸住宅契約時の名義貸しは、明確な違法行為になります。
よって、本題のように彼女名義で賃貸住宅を借りるときには、リスクしかない状況となります。
つまり、今回名義貸しを依頼された彼女は、彼氏の名義貸しに同意してしまうと
明確な違法行為となってしまうため、断らなければなりません。
では、そもそも名義貸しとはどのようなことであるのか?
例外となるようなことはあるのか?名義貸しをしてしまったことにより起こりえるリスクには、どのようなことがあるのでしょうか?
この記事では、うっかり名義貸しを行わないように、名義貸しの定義や名義貸しを行ってしまったときのリスクなどについて解説します。
目次
結論:賃貸の名義貸しは違法です
結論、賃貸住宅を借りるときの第三者への名義貸しは明確な違法行為となります。
賃借人は、大家さんや管理会社に名前・住所・勤務先など、正確な情報を伝える義務があります。
また、賃貸住宅では無断転貸行為は契約違反です。
転貸とは、契約者とは別の人物が居住する行為となります。
このような行為は、普通に生活していれば大家さんや管理会社にはバレにくく、
管理者が多少不振に思っても、一時的に居住していることや同棲中であることなど、
人々の生活スタイルの多様化から実際には名義貸しであることは突き止めにくい現状があります。
しかし、賃貸の名義貸しがバレてしまうと、名義を貸した人は詐欺罪に問われる可能性があり、
最大10年の懲役刑となります。
ここで注意すべき点は、名義を借りた人ではなく貸した人が詐欺罪に問われることです。
つまり、名義を借りた人は家賃滞納や設備の故障を引き起こしたとしても、
そもそも名義貸しによる契約違反の賠償を請求されるのは、全て名義を貸した人になるのです。
よって、賃貸の名義貸しで名義を貸した人には「リスクしかない」、という結論になります。
賃貸における名義貸しとは?基本情報をご紹介
実際に住みたい人をAさん、名義貸しを行う人をBさんとします。
賃貸住宅における名義貸しとは、大家さんや管理会社には
Bさんの名前や住所などを伝え賃貸借契約を結ぶも、実際に住む人はAさんということです。
つまり、賃貸借契約を結ぶ人と、実際に住む人が異なる状態を言います。
名義貸しが行われる理由としては、今回の場合Aさんの収入や職業、雇用形態では
賃貸住宅の入居審査に落ちてしまうからになります。
例えば、Aさんが無職で収入がない状態のときや、水商売など一般的に賃貸の入居審査におちてしまう職業であるときです。
このようなときに、賃貸住宅を借りれるようにするために、友人や知人などに名義貸しを依頼することが多くあります。
賃貸で名義貸しをすることのリスク3選
では、賃貸住宅の契約で名義貸しをすることで起こりえるリスクとは、どんなことになるのでしょうか?
なお、名義貸しでリスクを負うのは全てBさん(名義を貸した人)です。
以下に、代表的な3つのリスクを挙げていきます。
賃貸で名義貸しをすることのリスク3選
- 名義貸しがバレると契約違反となる
- 家賃滞納による金銭トラブル
- 原状回復による敷金トラブル
名義貸しがバレると契約違反となる
まず、名義貸し自体がバレると契約違反になります。
契約違反になるので、居住しているAさんは強制退去です。
また、Bさんには大家さんから原状回復に伴う損害賠償や違約金の請求がある可能性があります。
悪質な場合は詐欺罪に問われる可能性もあり、Bさんの私生活にも大いに影響が出てしまいます。
家賃滞納による金銭トラブル
次に、家賃滞納が起きた場合、契約者であるBさんに賃料の支払い義務が生じてしまいます。
よって、Aさんが家賃滞納するとBさんに金銭負担が発生し、
AさんとBさんの間でトラブルになる可能性があります。
名義貸しはただ名前を貸すだけの行為に留まらず、金銭的な問題の引き金になります。
このようなトラブルがあると、友人や知人への信頼はなくなり関係はあっという間に壊れてしまいます。
原状回復による敷金トラブル
最後に、原状回復に伴うトラブルです。
部屋を退去するときには、室内の内装や設備を原則元通りにする原状回復が必要となります。
例えば、フローリングにつけたキズや和室の襖を破いていたら、退去時には補修をしなければなりません。
一般的にその補修費用は敷金から賄う形になるのですが、
敷金以上に補修費用が掛かった場合には契約者であるBさんに請求がいきます。
もし、原状回復の費用が高額になってしまった場合に、
AさんとBさん双方で金銭トラブルになる可能性があります。
無論AさんがBさんに敷金を超えた分の費用を支払えば問題ありません。
なお、原状回復に伴う費用負担を巡っては、一般的な賃貸契約でも最もトラブルに陥りやすい事項です。
クロスやフローリングのキズ、設備の故障、建具の不具合など、いつから起きた事象であるのか、
また高額な費用負担となった場合の支払いを巡って裁判になることもあります。
よって、原状回復によるトラブルで、AさんとBさんのトラブルとBさんと大家さんとの間にトラブルが起きる可能性があり、
複雑な事象となってしまいます。
つまり、名義貸しをすることで、よりトラブルの内容が深刻化するリスクがあるのです。
【例外】賃貸で名義貸しが認められるケース
賃貸住宅の契約で名義貸しは、原則違法行為となります。
しかし、名義貸しでも例外的に認められるケースもあります。
ここでは、賃貸住宅で名義貸しが認められるケースについて、代表的な2例を紹介します。
【例外】賃貸で名義貸しが認められるケース
- ケース①親が契約して子供が住むこと
- ケース②法人契約などで従業員などが入居する
ケース①親が契約して子供が住むこと
ケース一つ目は、親が契約して子供が住むことです。
例えば、学生である子供を一人暮らしさせるために賃貸住宅を契約し、
住まわせることには名義貸しが認められています。
この場合は、親子関係であることと、子供が未成年であれば親が代わりに名義人になることに問題ありません。
つまり、子供には安定的な収入はない状態であるので親が賃料を負担して住まわせるということは、社会通念上適法となります。
ケース②法人契約などで従業員などが入居する
ケース二つ目は、会社が法人契約で賃貸住宅を借り従業員を住まわせることです。
法人が従業員のために安心して働く環境を提供することは一般的なことであり、違法行為ではありません。
同棲の際に彼女名義で賃貸住宅を借りることは名義貸しではない
結婚前のカップルが、同棲の際に彼女名義で賃貸住宅を借りることは名義貸しではありません。
理由は、賃貸借契約を結んだ本人が居住しているからになります。契約した本人が実際に居住していれば、契約上は問題ありません。
ただし、契約時には同棲する相手がいるなどを大家さんに伝える必要があります。
また、同棲を解消し契約した彼女が退去してしまった場合には、
契約した本人が居住していない状態となるので、名義貸しにあたる可能性があります。
このとき賃料の支払いを巡って、トラブルに発展する可能性もあります。
よって、同棲を解消するときには、賃貸住宅の契約についてはよく話し合いましょう。
同棲のカップルは入居審査に落ちやすい!その理由とは?
同棲予定のカップルは、入居審査に落ちやすいといわれています。
その理由について、下記に2つ紹介します。
同棲のカップルは入居審査に落ちやすい!その理由
- 理由①婚姻関係がなく同棲解消の可能性が高いから
- 理由②家賃の支払い能力に不安があるから
理由①婚姻関係がなく同棲解消の可能性が高いから
理由一つ目は、婚姻関係がなく同棲解消の可能性が高いからです。
婚姻関係があるカップルと同棲関係のカップルとでは、
後者のほうが関係性が弱く、別れてしまうリスクが多大にあります。
よって、片方が退去してしまった場合に、家賃の支払い能力が
落ちてしまう可能性が高いと判断されてしまいます。
賃貸の入居審査では、「賃貸借契約の2年間に安定して賃料を支払えるか」が
最大のポイントになります。
同棲中のカップルは、一時の感情のもつれなどから同棲解消になるケースがあり、
大家さんとしては不安が多いのです。よって、入居審査に落ちやすい傾向があります。
仮に、審査に通りやすくするには、契約人のみの収入で家賃が十分支払える水準の物件にする、
同棲相手を連帯保証人にする、若しくは婚約中のカップルであると大家さんに伝えることで
審査に通りやすくなることがあります。
理由②家賃の支払い能力に不安があるから
理由二つ目は、家賃の支払い能力に不安があるからです。
先述でも紹介したとおりに、大家さんは家賃を安定的に支払えるかを重視しています。
二人で居住するので広い部屋に住みたいと思うのですが、
その分家賃負担は多くなります。
同棲するカップルは若年層が多く、収入が不安定な人も多いことから
審査に落ちるケースが多いようです。
彼氏から名義貸しを頼まれた彼女の対処方法と注意点
ここでは、彼氏から名義貸しを頼まれた彼女が断る方法や、
仮に名義貸しを受けてしまったときの注意点について解説します。
【対処方法】名義貸しの違法性やリスクについて説明し断る
彼氏が賃貸住宅を借りようとしたら、入居審査に通過しなかった場合、
身近な存在の彼女に名義貸しを依頼するケースもあるでしょう。
このような場合には、これまで紹介してきた名義貸しの違法性やリスクについて説明し断ります。
名義貸しは、彼女にとってリスクでしかありません。
彼氏には物件や保証会社を変えるなど、別の方法で
審査に通過できるように促すしかありません。
名義貸しはバレない可能性が高いが、バレた時のリスクのほうが大きい
大家さんは、貸した部屋に実際誰が住んでいるのかをいちいち詮索することはまずありません。
仮に、契約者と違う人が玄関から出てきたとしても、
一時的に遊びや泊まりに来るケースは多々あることや、賃借人の生活に深入りすることは今の世の中ではしにくいことです。
よって、名義貸しがバレるということは、よほど大家さん側に名義貸しを行っているという確信がない限り、
賃借人を問い詰めることはできません。
つまり、名義貸しはバレない可能性のほうが高いのですが、
バレた時のリスクのほうが多大であるため辞めたほうが良いという見解になります。
【注意点】名義貸しをしたら契約違反として損害賠償を負うリスクがある
また、名義貸しすると先述で紹介したとおりに契約違反として、損害賠償などの多額の代償を負うリスクがあります。
賃貸借契約では原則居住する本人が名義人になるのが大前提です。
これは、万が一家賃の延滞や滞納などのトラブルが起きた時に速やかに対応するためになります。
賃貸住宅の名義貸しについての疑問点
ここでは、賃貸住宅の名義貸しについてよくある疑問点について取り上げ、その回答について解説します。
賃貸住宅の名義貸しについての疑問点
- 賃貸の名義人の彼女が家賃滞納したら、彼氏に支払い義務が生じるのか?
- 同棲を解消したら、名義貸しになるのか?
- 同棲中の彼氏に家を追い出されました。彼女が名義人になるのですが賃貸契約の解除を彼氏に許可なく行うことは可能か?
- 彼女が名義貸ししている賃貸を彼氏が名義変更して賃貸契約することは可能か?
賃貸の名義人の彼女が家賃滞納したら、彼氏に支払い義務が生じるのか?
彼氏を保証人にしていると支払い義務が生じます。
一方で、保証人でなければ支払い義務はなく、彼女が指定した保証人に支払い義務が生じます。
同棲を解消したら、名義貸しになるのか?
同棲を解消後、彼女が退去し彼氏が一人で住み続けたら名義貸しになる可能性があります。
名義人の彼女が残り彼氏が退去したら、契約者本人が住み続けるので名義貸しにはなりません。
同棲中の彼氏に家を追い出されました。彼女が名義人になるのですが賃貸契約の解除を彼氏に許可なく行うことは可能か?
名義人は彼女であるので、彼氏に許可なく契約解除を行うことは可能です。
一方で彼氏は、名義人ではないので彼女に許可なく契約解除を行うことはできません。
彼女が名義貸ししている賃貸を彼氏が名義変更して賃貸契約することは可能か?
名義変更自体は可能です。
ただし、先に名義貸しをしている事実があるので、物件によっては名義変更を受けない可能性があります。
名義貸しでのトラブルを避けるならアリバイ会社の利用がおすすめ
名義貸しでのトラブルを避けるなら、アリバイ会社の利用がおすすめです。
例えば、賃貸住宅を借りたいと思う本人が勤務先や収入などから入居審査に落ちてしまうときには、
勤務先や収入がしっかりしている在籍会社を提供し入居審査に通りやすくします。
在籍会社は、入居審査のときに必要になる、源泉徴収票、給与明細、在籍証明書などの書類作成や在籍確認の電話に対応します。
アリバイ会社の利用で、身近な人との名義貸しでのトラブルを回避でき、
安心して賃貸借契約を結ぶことが可能です。
なお、アリバイ会社では個人のプロフィールに沿った複数の在籍会社を用意しています。
また、アリバイ会社はこのようなアリバイ行為に長けており、ノウハウやマニュアルがしっかりしていることから、大家さんなどにバレることはまずありませんのでご安心ください。
「賃貸 名義貸し」についてのまとめ
賃貸住宅の契約で名義貸しは違法行為です。
特に、名義貸しする人についてはリスクしかなく、
多額の損害賠償や違約金を請求されること、詐欺罪で立件されるケースもあります。よ
って、名義貸しの依頼や受けることは絶対にやめましょう。
なお、賃貸住宅の入居審査に落ちて悩んでいたら、アリバイ会社にお任せください。
他人に迷惑をかけることなく、賃貸住宅を借りることができます。詳しくは、日本アリバイ協会までお問合せください。