全保連は土日でも審査を受け付けてくれるため、多くの人が利用しています。ただ、無職等の審査に不利な人でも受け付けてくれる一方、借金があるため審査に落ちてしまったという人も散見されます。

そこで当記事では、全保連の審査基準と審査に通るためのポイント、審査に落ちてしまった際にすべきことを解説していきます。

全保連について解説

全保連について解説

まずは全保連の会社概要についてご紹介すると共に、全保連の審査はどのくらいの難易度なのか、ということについて解説していきます。

「保証会社を検討している」という人にも参考にしていただけたらと思います。

①全保連の会社概要について

全保連は、家賃保証サービスを実施している保証会社で、入居者が滞納してしまった場合でも家賃の立て替えを行います。そのため、オーナーは家賃の滞納を気にせず、ビジネスに集中することができます。

また、営業年数20年以上、保証件数は295万件を超えており、協定している不動産会社も4.8万社と多いため、信用度の高い会社といえます。

会社概要

  • 会社名称:全保連株式会社
  • 設立年月:2001年11月16日
  • 年間売上:196億円(2020年)
  • 保証件数:295.5万件(2021年)
  • 協定会社:4.8万社(2021年)

②全保連はJICC加盟の保証会社

2022年6月、全保連は消費者金融や銀行等の借金歴を知ることができる「JICC(日本信用情報機構)」に加盟し、信販系の保証会社となりました。

そのため審査の際は、まず支払い事故や借金歴を知ることができる「個人信用情報」を確認し、申込者に物件を貸しても大丈夫なのか総合的に判断するという流れになります。

個人信用情報は過去5年以内の情報が共有されますが、6ヵ月以上の滞納等、悪質と判断された場合は最長10年ほどデータが残ることになります。

今まで全保連は「LICC(全国賃貸保証業協会)」に属しており、家賃の滞納情報をチェックしていましたが、近年では銀行等からの借金歴も見るようになってきています。

【結論】全保連の審査は厳しい

【結論】全保連の審査は厳しい

保証会社は「信販系」「LICC系」「独立系」に分けられますが、全保連も含む信販系の審査難易度は「厳しい」という結果になります。

その理由は、支払い事故や借金歴等の「個人の信用情報」がチェックされるからであり、ブラックリストに入ってしまっていた場合は高確率で審査に落ちることとなります。

そのため、信用情報に傷があったり、自己破産した人は他にも保証会社を当たってみる等、対策を取っておいた方が良いでしょう。

信販系保証会社の一覧

以下、信販系の保証会社をまとめていきます。

信販系保証会社一覧

  • SBIギャランティ
  • エポスカード
  • オリエントコーポレーション(オリコ)
  • アプラス新生銀行グループ
  • オリコフォレントインシュア
  • ジャックス
  • SMBCファイナンスサービス
  • クレディセゾン
  • ライフカード

オリコなどのクレジットカード関連の会社が多いのが特徴となっています。

尚、信用情報に傷があった場合、滞納経験があるカード会社と全く関係ない保証会社であっても落ちやすくなってしまいます。

全保連の審査で落ちる人の特徴一覧

では、全保連の審査でどのような人が落とされてしまうのでしょうか。以下、全保連の審査で落ちる人の特徴をまとめていきます。

審査で落ちる人の特徴

  • JICCのブラックリストに登録されてしまっている
  • クレジットカードの支払い事故を起こしてしまった
  • フランチャイズ開業・代理店契約をする時
  • 全保連で家賃を滞納してしまった
  • 年収が家賃の36倍以下になってしまった
  • 家賃を払わずに無断退去をしてしまった
  • 連帯保証人を立てることができなかった
  • 十分な貯金が無かった
  • インターネット検索でネガティブな情報が出てきてしまった
  • 引っ越し等の理由が明確に言えなかった

もし、これらの特徴に一つでも当てはまっていたら、審査に落ちる可能性が高くなります。「否決」だった場合も今後に悪影響を与えるので、まずは不動産屋に相談しましょう。

全保連の審査基準7項目を紹介

全保連の審査基準7項目を紹介

全保連の審査基準をしっかりと理解しておくことによって、審査通過の可能性を大きく上げることができます。全保連の審査基準7項目は以下の通りです。

審査基準7項目

  1. 信用情報に傷がないか
  2. 全保連で家賃を滞納していないか
  3. 今後安定して家賃は払える年収か
  4. 雇用形態や勤続年数に問題がないか
  5. 申込書に嘘がないか
  6. 国籍と勤務先の企業
  7. 見た目や人柄は問題なさそうか

①信用情報に傷がないか

信用情報に傷があると、審査に通る可能性はほぼ無くなります。全保連の審査に通過するためには、JICCのブラックリストに載っていないことが必須条件といえるでしょう。

情報が共有される期間は過去5年以内となりますので、この期間内にクレジットカードの支払い事故を起こしてしまうと審査に落ちることになります。全保連の審査に申し込むだけでも、手間と労力を必要とするため、信用情報に傷がある場合は別の方法を検討しましょう。

②全保連で家賃を滞納していないか

全保連の審査では、家賃を滞納していないかどうか、もチェックされることとなります。

一度でも家賃の支払いが滞ってしまうと、審査に落とされる大きな要因となってしまいますが、注意が必要なのは、これは「直近」の家賃滞納だけが見られるわけではないということです。

ブラックリストの情報と同じく、過去5年までさかのぼってチェックされるので、くれぐれも気を付けるようにしましょう。また、入居トラブル等を起こしてしまった場合も履歴に残ってしまいます。

③今後安定して家賃は払える年収か

全保連の審査においては、家賃ごとに必要となってくる年収の目安が変わってきます。その目安は以下の通りです。

家賃ごとの年収目安

  • 家賃5万円:年収180万円以上
  • 家賃6万円:年収216万円以上
  • 家賃7万円:年収252万円以上
  • 家賃8万円:年収288万円以上
  • 家賃9万円:年収324万円以上
  • 家賃10万円:年収360万円以上
  • 家賃11万円:年収396万円以上
  • 家賃12万円:年収432万円以上

これらを見ても分かるように、家賃の36倍以上の年収があると望ましいです。月の手取りでいうと、家賃を月の手取り3分の1まで抑えることができれば、年収が家賃の36倍に収まることになります。

④雇用形態や勤続年数に問題がないか

雇用形態や勤続年数も審査に影響してきます。雇用形態の場合、簡単に解雇されることがない「正社員と公務員」が最も有利になります。

勤続年数は3年以上あれば問題なく、「安定した家賃が払える」と判断してもらえれば、審査に通る可能性は非常に高くなります。逆に審査に不利な職業は以下の通りです。

審査に不利な職業

  • 無職
  • 水商売や夜職
  • 就職予定がない学生
  • 派遣、契約社員
  • 個人事業主

これらの場合は審査では不利になりますが、連帯保証人を付けて審査することも可能になっています。

⑤申込書に嘘がないか

申込書に嘘があったと分かったら、その時点で審査に落ちることになります。

そのため、申込書には本当のことだけを書くようにして、「覚えていない」「よく分からない」という内容があれば、面倒でも調べてから再度申込書に取り掛かるようにしましょう。

尚、申込書の情報を元に本人確認の電話が入ることになりますので、連絡先に誤りがあった場合は、電話が繋がらないため審査がストップします。申込書については自分自身でダブルチェックを行うなど、記載漏れやミスがないよう注意しておきましょう。

⑥国籍と勤務先の企業

仮に大手の日系企業に勤めていた場合、外国籍であっても全保連からお金を借りることができます。それは大手の日系企業が「倒産のリスクが少ない」「安定的な収入がある」という条件を満たしているからでもあります。

大家さんが不安に思う要素が少なければ少ないほど審査には通りやすくなるので、「日本への永住権がある」「不自由なく日本語でやり取りすることができる」等がアピールできれば更に審査に通る可能性が高くなります。

⑦見た目や人柄は問題なさそうか

全保連の審査では、申込者の見た目や言動、人柄も判断材料としてチェックされます。ここで「態度が悪い」と判断されてしまうと、「入居後にトラブルを起こす可能性が高い人」と見なされ、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。

身だしなみ等の情報も不動産屋のレポートに書かれてしまうので、審査の際は派手な服や髪型には気を付けましょう。

アリバイ会社社員
アリバイ会社社員

尚、反社会的勢力、暴力団関係者、犯罪歴がある人は契約できないことになっています。

不安要素がある場合の対処法

自分自身で「ブラックリストに入っていることが分かっている」「過去に家賃を滞納してしまっていた」等の不安要素を抱えていた場合、あらかじめ不動産屋に経緯を説明しておくようにしましょう。

不安要素を伝えておくことで、審査基準が甘めの物件を探してくれたり、審査を通過できるよう様々な助力をしてくれます。自分自身ですべてを判断してしまうと間違っていることも多く、結局は時間と労力を無駄にしてしまうことになりかねないので注意が必要です。

全保連の審査日数は3日前後

全保連の審査日数は3日前後

全保連の審査日数は3日前後となっており、土日営業という点を含めて、他の保険会社より早く結果が出やすいといえます。申し込みから審査結果までの流れは以下の通りです。

申し込みから審査結果までの流れ

  1. 物件を選定し申し込む
  2. 審査に必要な書類を提出する
  3. 保証会社の審査が開始される
  4. 本人確認の電話がかかってくる
  5. 緊急連絡先(連帯保証人)に電話がかかってくる
  6. 管理会社の審査が開始される
  7. 入居審査の結果が出る

ただ、審査日数は3日前後となっているものの、1月~3月の引っ越しシーズンは審査に時間がかかってしまう傾向があります。そのため、審査が2、3日伸びてしまう可能性もあります。

全保連の審査時は本人確認の電話が入る

全保連の審査時は本人確認の電話が入る

申し込みをした際、1~2日後に全保連から本人確認の電話が入ります。ただ、必要以上に緊張する必要はなく、聞かれたことに正直に答えていれば問題ありません。

本人確認の電話が終わったら、勤務先と緊急連絡先(連帯保証人)に連絡が入ることになるので、関係者にはあらかじめ伝えておいた方が良いでしょう。

もし本人確認の電話に出ず数日間放置してしまった場合、確認が取れないという理由で審査に落ちてしまいますので十分に注意しましょう。

電話がかかってくるタイミングは、「申込書と必要書類に不備がないとされた後」になるので、電話に出られなかったら早急に折り返しましょう。

全保連の審査時に必要なもの一覧

全保連の審査時に必要なもの一覧

全保連の審査には様々な書類が必要になります。ここからは、審査時に必要な書類をまとめていきます。

まず、申込書には以下の情報を記載していきます。

申込書の情報

  • 氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、国籍
  • 転居する理由
  • 職業、勤続年数、年収
  • 勤務先の名称、所在地、業種、部署、電話番号
  • 同居人の氏名、性別、続柄、生年月日
  • 緊急連絡先(連帯保証人)情報

そして、審査時には「本人確認書類」と「収入証明書」を提出します。

本人確認書類とは身分証のことで、以下のいずれかのものを提出します。

本人確認書類

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 住民基本台帳カード
  • 在留カード(外国籍)
  • 特別永住者証明書(多国籍)

収入証明書は、以下のいずれかのものを提出します。

収入証明書

  • 昨年度の源泉徴収票
  • 直近3ヵ月分の給与明細
  • 内定通知書

また、職業によっては求められる追加書類があるため、事前に確認しておくようにしましょう。

全保連の利用時にかかる保証料

全保連の利用時にかかる保証料

保証料はその名の通り、保証会社を利用する際にかかる利用料です。全保連では、保証料の支払い方法を自分自身で選ぶことができます。

内容としては以下2つのプランがあります。

2つのプラン

  • 「契約時のみ」プラン
  • 「1年ごとに更新」プラン

「契約時のみ」プランの場合、契約時に総賃料の100%を支払います。ただ、その後の継続保証委託料はありません。以前は総賃料の80%となっていましたが、2022年現在は変更されています。

一方、「1年ごとに更新」プランの場合は、初回に総賃料の30~50%を支払い、その後に継続保証委託料を払っていく形になります。

全保連の審査に落ちてしまった時の対処法4つ

全保連の審査に落ちてしまった時の対処法4つ

全保連の審査に落ちてしまっても、もう二度と審査を受け付けてもらえないというわけではありません。

ここからご紹介する4つの対処をすれば、次回の審査を通過できる可能性が大きく上がるので、是非試してみていただきたいと思います。

①家賃の36倍以上の収入がある連帯保証人を付ける

全保連の審査に落ちてしまった場合、連帯保証人を付けるという手段があります。その場合、やはり家賃の36倍以上の収入を求められるので、なるべく現役で働いている人に連帯保証人になってもらいましょう。

尚、連帯保証人は関係性が近いほど審査に有利になるので、1~2親等までの親族にお願いすると良いでしょう。具体的には以下の親族になります。

連帯保証人を頼める親族

  • 1親等:両親、自分の子供
  • 2親等:祖父母、兄弟姉妹、孫

連帯保証人を付けることによって家賃の滞納リスクを大きく減らすことができるので、必然的に審査に通過する可能性が高くなります。

②親族に代理で契約してもらう

代理契約というのは、入居者とは別の人に契約してもらう方法を指します。たとえば、個人信用情報に傷があった場合、入居者本人による契約が難しくなるので、その際に代理契約が使われます。

たとえ保険会社の審査が通過できなかったとしても、代理契約であれば通過する可能性があります。

代理契約を頼むことができる条件は連帯保証人と同様なので、まずは代理契約をしたい旨を不動産屋に相談してみることをおすすめします。

③他の保証会社で再審査する

他の保証会社を利用できる場合、再審査できるか確認しましょう。特に独立系の保証会社だと通過できる可能性があります。

全保連より審査が通りやすい独立系の保証会社は以下の通りです。

独立系の保証会社

  • フォーシーズ
  • 日本セーフティー
  • Casa(カーサ)
  • フェアー信用保証
  • 日本賃貸保証(JID)
  • ダ・カーポ
  • ラクーンレント
  • オーロラ
  • CAPCO AGENCY(れんぽっぽ)

独立系の保証会社では、信用情報や家賃滞納歴を調べないため、ブラックリストでも審査を通過できるといわれています。

ただ、管理会社や大家が全保連しか利用していなかった場合は変更できないので注意が必要です。

④諦めて他の物件探しに切り替える

仮に契約者や保証会社を変えても審査に通過できなかった場合、諦めて他の物件を探すという手段もあります。というのも、大家ごとにチェック項目が異なっているため、他の物件を探したところ審査に通ったという事例も少なくないからです。

この手段を取る場合は、基本的に家賃を下げて探し直すことをおすすめします。家賃が低いほど審査に通りやすくなるので、時間や労力のロスを少なくすることができます。

一つの物件に固執すると周りが見えなくなりがちなので、冷静に他の選択肢を探してみるというのは賢明な考え方です。

【まとめ】全保連の審査は厳しい?審査基準や落ちた時の対処法を解説

【まとめ】全保連の審査は厳しい?審査基準や落ちた時の対処法を解説

ここまで、全保連の審査基準と審査に落ちてしまった場合の対処法について解説してきました。記載してきたポイントを踏まえておけば、審査通過できる可能性を高くすることができるでしょう。

ただ、100%というわけではないので、どうしても審査に通らなかった場合は他の物件を検討してみるなど、幅広い視点で考えていくことをおすすめします。

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