賃貸住宅を契約する際や病院に入院する際など以外と求められるシーンが多い緊急連絡先。
歳を取ると緊急連絡先を気軽に頼むことも難しくなってきますが、緊急連絡先がいない高齢者はどうしたら良いのでしょうか?

本記事では、緊急連絡先を頼む相手がいない高齢者の対処法について詳しく紹介していきます。

この記事を読んでわかること

  • できる限り近しい親族を選ぶことが理想だが、親戚や友人を選べる場合もある
  • 任意後見制度を活用すれば司法書士に緊急連絡先を任せられる
  • 誰にも迷惑をかけたくない場合は代行サービスの利用がおすすめ

緊急連絡先がいない高齢者の対処方法

緊急連絡先がいない高齢者の対処方法

緊急連絡先がいない高齢者の対処方法を紹介します。
パートナーや子供がおらず緊急連絡先を頼めない場合には、下記の方法を検討してみてください。

緊急連絡先がいない高齢者の対処方法

  • 親戚や友人に依頼する
  • 任意後見制度を活用する
  • 身元保証会社・緊急連絡先代行業者を利用する

下記からはそれぞれの方法について詳しく紹介していきます。

親戚や友人に依頼する

対処方法1つ目は、「親戚や友人に依頼する」です。

パートナーや子供、兄弟、両親など緊急連絡先を頼める家族がいない場合には、従妹などの少し離れた親戚や友人に依頼することも検討してみましょう。

基本的には近しい親族を選ぶよう指示されることが多いですが、亡くなっているなどの理由で頼めない場合には友人や少し離れた親戚であっても緊急連絡先に認めてもらえることが多いです。

この対処法が最もお金がかからないため、頼めそうな相手がいる場合は一度頼んでみることがおすすめです。

任意後見制度を活用する

対処方法2つ目は、「任意後見制度を活用する」です。

任意後見制度とは、自分が歳を取るなどして判断力がなくなってしまった際に、あらかじめ決めておいた相手に各種契約などを代わりに結んでもらう制度です。

任意後見制度で司法書士にあらかじめ任意後見人を依頼しておけば、緊急連絡先に記入することができます。

任意後見制度を利用するには、面倒な手続きや数万円ほどの費用が掛かりますが誰にも頼むことができない場合にはおすすめです。

身元保証会社・緊急連絡先代行業者を利用する

対処方法3つ目は、「身元保証会社・緊急連絡先代行業者を利用する」です。

誰にも頼むことができない場合には、お金がかかってしまいますが身元保証会社や緊急連絡先代行を利用することがおすすめです。

身元保証会社・緊急連絡先代行とは、お金を払うことで緊急連絡先を提供してくれる業者のことです。

代行業者であれば、最短数日以内に緊急連絡先を用意してもらえるため、急ぎの場合は身元保証会社や緊急連絡先代行を利用することも検討してみましょう。

高齢者が緊急連絡先を求められるシーン

高齢者が緊急連絡先を求められるシーン

高齢者が緊急連絡先を求められるシーンは、意外と多いです。

日常的に利用することはなかったとしても、大事なシーンでは必ず求められるので普段から誰に頼むか考えておくことが大切です。

緊急連絡先を求められるシーンとしては下記のようなシーンがあります。

高齢者が緊急連絡先を求められるシーン

  • 賃貸契約時
  • 施設入居時
  • 入院・手術時
  • 趣味の大会や旅行に参加するとき

賃貸契約時

緊急連絡先を求められるシーン1つ目は、「賃貸契約時」です。

お部屋を借りる際には、仮に一人で住む予定のお部屋だったとしても、お部屋の中で孤独死などがあった際のために緊急連絡先を提出するように求められます。

高齢者にお部屋を貸す場合、本人が病気などを患っていなかったとしても、お部屋の大家さんは孤独死されるかもしれないと感じます。

そのため、仮に健康であっても緊急連絡先が用意できなければ入居を断られてしまうことが多いです。

施設入居時

緊急連絡先を求められるシーン2つ目は、「施設入居時」です。

施設などへの入居時にも基本的に寿命を迎えた際や危篤状態に陥った際のために緊急連絡先が求められるケースが多いです。

用意することができなければ、入居自体を断られてしまうケースも珍しくありません。

しかし現状は緊急連絡先の提出が必須のケースが多いですが、近年子供を作らない選択を選ぶ人も増えてきたため、将来的には緊急連絡先が無くても施設にスムーズに入居できるようになるかもしれません。

入院・手術時

緊急連絡先を求められるシーン3つ目は、「入院・手術時」です。
入院や手術の際にも、命に係わる危険性があるため緊急連絡先を提出するように求められます。

しかし入院や手術の場合は、緊急連絡先がいないという理由だけで断ってしまうと命に係わる可能性がある人もいるため、家族が全員亡くなっているなどの事情があれば緊急連絡先なしでも入院・手術を受けられる可能性が高いです。

どうしても頼める相手がいない場合には、主治医に事情を打ち明けて相談してみましょう。

趣味の大会や旅行に参加するとき

緊急連絡先を求められるシーン4つ目は、「趣味の大会や旅行に参加するとき」です。

何かしらのスポーツの大会や旅行、ツアーなどに参加する際も最悪の場合命に係わる危険性があるため緊急連絡先を提出するように求められます。

しかし高齢者であれば緊急連絡先が用意できない方は珍しくないため、趣味のイベント程度であれば緊急連絡先を提出できなくても参加できる可能性が高いです。

事情があり誰にも頼めない場合は、大会や旅行を取り仕切る方に事情を説明してみましょう。

高齢者が緊急連絡先に選べる人の条件

高齢者が緊急連絡先に選べる人の条件

緊急連絡先は、誰を選んでも良いわけではありません。
選べる人には、下記のような条件があります。

高齢者が緊急連絡先に選べる人の条件

  • できるだけ近しい親族を選ぶ
  • 成人済みなら学生でも緊急連絡先を任せられる
  • 血のつながりのない友人や親しい知人を選んでも良い

入院や手術の際など厳しくチェックされる場では、他の緊急連絡先を選ぶように言われることもあるので注意してください。

できるだけ近しい親族を選ぶ

緊急連絡先を選ぶ際は、できるだけ近しい親族を選ぶよう指示されることが多いです。
なぜなら友人や知人を選んでしまうと、時間の経過で関係性が変わってしまう可能性があるからです。

そのため、もしもパートナーや子供、兄弟、両親のように近しい親族に頼める相手がいるのであれば、できるだけ近しい親族を選ぶようにしましょう。

親族がいないなどの事情で頼めない場合には、事情を説明して友人や知人を選ぶことも検討すると良いでしょう。

成人済みなら学生でも緊急連絡先を任せられる

成人済みなのであれば、学生であっても緊急連絡先に選ぶことができます。

基本的に緊急連絡先を選ぶ際には学生不可と言われますが、それはあくまでも未成年者不可なのであって学生という職業についている方が選べないという訳ではありません。

そのため、子供が学生であっても成人済みなのであれば緊急連絡先に選ぶことができます。
子どもと同居しているのであれば、緊急時にサポートを受けられるため子供を緊急連絡先に指定することがおすすめです。

血のつながりのない友人や親しい知人を選んでも良い

親族に頼める相手がいない場合や関係が悪く頼むことができない場合には、親族の代わりに友人や知人を緊急連絡先に選んでも問題ありません。

代行サービスも存在しますが代行サービスの利用にはお金がかかるため、友人や知人を頼れるのであれば緊急連絡先になってもらえないか確認してみましょう。

なお自分が学生または未成年という場合には、例外として友人や知人ではなく絶対に親族を選ぶように指示されるので注意してください。

高齢者が緊急連絡先に選ぶべきではない人の特徴

高齢者が緊急連絡先に選ぶべきではない人の特徴

緊急連絡先は誰を選んでも良いわけではありません。
下記に特徴に当てはまるような方はなるべく避けた方が無難です。

高齢者が緊急連絡先に選ぶべきではない人の特徴

  • 日本語が不自由な外国人
  • 保証会社でブラックリスト入りしている人
  • 認知症を患っている人

頼む相手を適当に選んでしまうと、自分にもしものことがあった際に自分だけでなく連絡先を請け負ってくれた相手も迷惑することになるので注意しましょう。

日本語が不自由な外国人

選ぶべきではない人の特徴1つ目は、「日本語が不自由な外国人」です。

日本語が不自由な外国人を緊急連絡先に選んでしまうと、緊急事態が起こった際に1秒でも早く連絡をつながなければいけないのに、意思の疎通が取れず連絡が上手くいかないという事態に陥る可能性があります。

連絡をしてくれた相手だけでなく、自分も困ることになるため、パートナーが日本語が不自由な外国人などの特別な事情がない限りは他の方を選ぶようにしましょう。

保証会社でブラックリスト入りしている人

選ぶべきではない人の特徴2つ目は、「保証会社でブラックリスト入りしている人」です。
保証会社でブラックリスト入りしている人もおすすめではありません。

なぜかと言うと、保証会社でブラックリスト入りしている人を緊急連絡先に選んでしまうと審査に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

緊急連絡先の相手だけで審査に落とされるかどうかが決まるわけではありませんが、最悪の場合審査に落ちる以上は選ばない方が無難と言えます。

認知症を患っている方

選ぶべきではない人の特徴3つ目は、「認知症を患っている方」です。
認知症を患っている方も、緊急時の連絡が上手くつかない可能性が高いことからおすすめできません。

認知症を患っている方を緊急連絡先に設定していると、緊急時に連絡を貰ったにも関わらず、連絡が来たこと自体を忘れてしまう可能性があります。

緊急連絡先は登録後でも変更できるため、頼んでいた相手に認知症の兆候が見え始めたら早めに他の人に変更することがおすすめです。

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の流れ

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の流れ

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の流れを紹介します。
細かい流れは利用するサービスによって違いがあることもありますが、おおまかな流れは下記の通りです。

STEP.1
気になる業者に問い合わせる
代行サービスを利用するためには、まず気になる業者をみつけ問い合わせる必要があります。代行業者は「緊急連絡先 代行」で検索をかけると簡単に見つかりますが、中には悪質な業者も存在するので注意しましょう。
STEP.2
相談
問い合わせを行うと返信が返ってきます。具体的に何の用途で緊急連絡先が必要なのか、緊急連絡先が必要になる期間はどのくらいか、などを相談しましょう。
STEP.3
料金の支払い
説明を受けて納得がいったら契約を結んで支払いとなります。料金は後払いの会社もありますが、先払いの会社の方が多い傾向があります。
STEP.4
緊急連絡先の提供
料金を支払ったら緊急連絡先を提供してもらえます。

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の料金相場

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の料金相場

高齢者が緊急連絡先代行サービスを利用する際の料金相場を紹介します。
おおよその相場は下記のとおりです。

高齢者が緊急連絡先代行を利用する際の料金相場

  • 職場情報なし 10,000円~15,000円
  • 職場情報あり 15,000円~20,000円
  • カスタムプラン 25,000円~35,000円

弁護士や行政書士のようになるために難関資格を取得するような職業の方が運営している代行サービスは、相場よりも高い傾向があります。

相場から大きく料金がかけ離れている際は、ぼったくりの可能性もあるのでよく調べてから利用するか判断するようにしましょう。

なお、相場よりも安すぎる場合にも、追加料金がかかってくる可能性があるため注意が必要です。

緊急連絡先がいない高齢者についてよくある質問

緊急連絡先がいない高齢者についてよくある質問

最後に緊急連絡先がいない高齢者についてよくある質問をまとめて紹介します。
今回紹介するのは、下記の5つの質問です。

緊急連絡先がいない高齢者についてよくある質問

  • 生活保護受給中の方を緊急連絡先に登録することはできますか?
  • 緊急連絡先が無くても借りられる物件はありますか?
  • 緊急連絡先は途中で変更できますか?
  • 緊急連絡先がいなくても病院に入院できますか?
  • 緊急連絡先がいない場合役所に相談すべきですか?

生活保護受給中の方を緊急連絡先に登録することはできますか?

緊急連絡先は、あくまでも予期せぬ緊急事態が起こってしまった際に連絡する相手のため、生活保護受給中の方であっても全く問題なく登録可能です。

生活保護受給中の方のように支払い能力がない人を登録できないのは、緊急連絡先ではなく連帯保証人なので間違えないよう注意しましょう。

なお、生活保護は職業ではないため、登録時に生活保護受給中と記入する必要はなく、自分から話さない限りは生活保護受給者であることがバレることはありません。

緊急連絡先がなくても借りられる物件はありますか?

最近では連帯保証人がいなくても借りられる物件が増えてきましたが、緊急連絡先がなくても借りられる物件はほとんどありません。

緊急連絡先がいない状態で借りられる物件を探すよりも、お金を払って緊急連絡先を借りられるサービスを利用した方が圧倒的に簡単でお部屋の選択肢も広がるため、予算に余裕があるのであれば代行サービスの利用がおすすめです。

なお現状ではほとんどありませんが、近年国からも連帯保証人や緊急連絡先を頼む相手がいない高齢者がお部屋を借りられない事態が問題視されているため、このまま高齢化が進んでいけばいずれ緊急連絡先がいない高齢者でも普通にお部屋が借りられるようになるかもしれません。

緊急連絡先は途中で変更できますか?

大抵の場合緊急連絡先は後から変更できるケースが多いです。

なぜかと言うと賃貸契約などのように長期的な使用の場合、途中で緊急連絡先に指定していた相手の電話番号が変わってしまうことも考えられるからです。

しかし、短期入院などの最初から短期間での使用とわかっている場合は、手続きが面倒だからと途中変更を断られる可能性もあるので注意が必要です。

賃貸契約時や長期入院時などには基本的に事情を説明すれば途中で変更できるため、やむを得ない事情で変更する必要が出てきた際には変更の相談をしてみましょう。

緊急連絡先がいなくても病院に入院できますか?

緊急連絡先がいなくても入院できるかどうかは、病院によって違います。

検査入院などのように一刻を争う事態ではない場合は断られてしまうこともありますが、絶対に入院しなければ命に係わるということであれば緊急連絡先がいなかったとしても入院できる可能性が高いです。

しかし、親族が亡くなっており頼める相手がいないのではなく、親族との仲が悪く頼めないという理由の場合には連絡先を提出するように求められてしまう可能性があります。

緊急連絡先がいない場合役所に相談すべきですか?

親族も友人もおらず誰にも緊急連絡先を頼めないことで、お部屋が借りられない、入院を断られた、という場合には役所の生活相談窓口に相談してみるのも1つの手です。

緊急連絡先がいないことで旅行に行けないなどの相談の場合は断られてしまう可能性が高いですが、お部屋が借りられず住む場所がなくなりそう、入院できず病気が悪化してしまうといった生命にかかわる相談であれば何かしら助け舟を提案してくれる可能性が高いです。

役所の相談窓口での相談は無料のため、迷っているのであれば思い切って相談してみましょう。

【まとめ】緊急連絡先がいない高齢者はどうするべき?

【まとめ】緊急連絡先がいない高齢者はどうするべき?

本記事では緊急連絡先がいない高齢者はどうすべきかについて紹介しました。
いかがだったでしょうか?

高齢者になると気軽に緊急連絡先を頼める相手が少なくなりますが、緊急連絡先の提出を求められるシーンは意外と少なくありません。

必要になった際に慌てないためには、早い段階から誰に頼むのかを決めておくことが大切です。
本記事が、緊急連絡先を頼める相手がおらずお困りの方のお役に立てれば幸いです。

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